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現地レポート

RUIの影を追って RSS

2015年12月23日 21時59分

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ウインターカップ2015の組み合わせが決まった瞬間から、彼らはそれぞれ異なる場所で、まったく同じことを願ったに違いない。
ひとりはその願いを叶え、もうひとりは届かなかった――。

「JX-ENEOSウインターカップ2015(以下、ウインターカップ2015)」の1日目、第6試合の富山・高岡第一vs群馬・前橋育英は101-72で前橋育英が勝利した。しかし結果以上に、キャプテンでポイントガードでのある選手のマッチアップが、とても興味深かった。

酒井選手とマッチアップを繰り返した高岡第一④岡山 翔太郎選手

酒井選手とマッチアップを繰り返した高岡第一④岡山 翔太郎選手

高岡第一のポイントガード④岡山 翔太郎選手は富山市立奥田中学校出身。一方の前橋育英のポイントガード④酒井 達也選手は福岡市立西福岡中学校出身。彼らは2012年に埼玉県で行われた「全国中学校バスケットボール大会(以下、全中)」の決勝戦で対戦している。そしてもうひとり、ウインターカップ2015の主役の1人ともいうべき選手が、その奥田中学校のエースとして、そのコートに立っていた。宮城・明成⑧八村 塁選手である。

「塁のことを雑誌やテレビで見て、刺激をもらっていました。そして僕はポイントガードとして頑張ってきたので、それを見せる意味でも塁と対戦したかったです」

敗れた高岡第一の岡山選手が悔いを短く語れば、勝った前橋育英の酒井選手は饒舌になる。

「『打倒、明成』を掲げてきましたし、明後日も勝ちにいきたいと思います。同じ高校生ですし、ディフェンスやルーズボールをひたむきに取りに行くことで、観客を味方につけたいと思います。そうして東京体育館を自分たちのホームコートにすれば、番狂わせを起こすこともできると思います。それで観客が喜んでもらえると思ったら、今からワクワクしますね」

つまり彼らはともに八村選手の影を追い、それを今大会で追い越そうと目論んでいたわけだ。

3年前は酒井選手のいる西福岡中学校が、八村選手と岡山選手のいる奥田中学校を72-55で破っている。その再現は決して不可能な話でない。事実、酒井選手とともに西福岡中学校を全中制覇に導いた、土浦日本大学④山﨑 純選手と⑩松脇 圭志選手のいる茨城県が、和歌山国体で八村選手を擁する宮城県に勝っている。酒井選手が「次は俺が」と思ってもおかしくはない。

チームを勝利に導いた前橋育英④酒井 達也選手

チームを勝利に導いた前橋育英④酒井 達也選手

「彼ら(山崎選手と松脇選手)と違う進路を選んだときから、高校で対戦することをずっと想像してきました。でもその前に八村を倒さなければ、純や松脇と対戦できません。その意味でも明後日は勝ちたいです」

酒井選手が夢の続きを見られる一方で、岡山選手はこれで高校バスケットを引退することになる。それでも中学時代、控え選手だった岡山選手が高岡第一の主力として成長できたことは、彼にとっても今後の自信になるはずだ。高岡第一を率いる坂本 堯志コーチも「もともと技術に対して貪欲な子でしたが、高校に入ってからは当たり負けをすることが多かった。でも彼は本当に努力家で、今では当たり負けしなくなりました。プレイタイムも中学時代より格段に伸びたし、(酒井選手との)差を縮めたのではないでしょうか」と、その成長ぶりを評価している。

球磨かざれば光なし。勝った酒井選手も、敗れた岡山選手も3年間をかけて、自らを磨いてきた。だからこそ、ウインターカップ2015の舞台で輝けた。しかしそれは八村選手も同じこと。輝き続ける彼らの2回戦に注目したい。

試合後に健闘をたたえ合う2人

試合後に健闘をたたえ合う2人

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