JBA

JBA

現地レポート

跳べ、ビッグマン! RSS

2015年12月27日 21時35分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

パラリンピックを創案したルートヴィヒ・グッドマン博士は「失った機能を数えるな。残った機能を最大限に生かせ」と言ったが、チーム作りも同じことが言える。いない人材をあれこれ考えても意味がない。いるメンバーのなかで最大限の力を出せば、おのずと勝機は見えてくる。

「JX-ENEOSウインターカップ2015(以下、ウインターカップ2015)」は5日目。男子準々決勝、国体優勝の中心メンバーがそろう茨城・土浦日本大学と、高校総体準優勝の愛知・桜丘の一戦は92-77で土浦日本大学が勝利し、準決勝へのチケットを手に入れた。

24得点・15リバウンドを挙げた土浦日本大学⑤平岩 玄選手

24得点・15リバウンドを挙げた土浦日本大学⑤平岩 玄選手

勝因のひとつは土浦日本大学の圧倒的な攻撃力が挙げられる。⑧杉本 天昇選手が3Pシュート6本を含む28得点、⑩松脇 圭志選手も3Pシュート5本を含む25得点を挙げている。ただ、もし彼ら2人がアウトサイドから決めていただけなら、桜丘も打つ手があったはずだ。その一手が出せなかったのは、土浦日本大学のセンター⑤平岩 玄選手の存在が大きい。平岩選手も合わせなどで24得点を挙げている。

平岩選手がゲームを振り返る。

「アウトサイド陣が当たっていた分、僕が合わせでインサイドの得点を挙げられたことは、相手にダメージを与えられたと思います」

平岩選手はまた15本のリバウンドも記録している。203cmの桜丘⑩モッチ ラミーン選手に対して、平岩選手も199cm。高さで引けを取ることはない。負けることの多かったフィジカルコンタクトも、トレーニングを積んで少しずつだが克服してきた。自分のなかに今ある力を出し切っての勝利である。

平岩選手は和歌山国体でも決勝戦で明成⑧八村 塁選手を擁する宮城を破って優勝している。八村選手は昨年度の男子U-17日本代表チームでも一緒に戦っている、いわばライバルだ。それが自信になったのかと問えば、

「佐藤(豊)コーチからすぐに『調子に乗るな』と言われたので、それほどでもありません。ただ塁を相手に22リバウンドを取ったことは評価してくれました。それが自信になりました」

佐藤コーチの厳しい声を思い出したのか、苦笑しながらそう答える。

リバウンドでも留学生に引けをとらなかった

リバウンドでも留学生に引けをとらなかった

では、佐藤コーチは平岩選手をどう見ているのか。

「素直に努力をする子ですからね。今ではゴール下のシュートはほとんど落とさないし、今日もそうだったけど、リバウンドをよく取ってくれるようになりました」

インサイドで得点やリバウンドを計算できるようになれば、コーチとしてもチームを作りやすくなるものだ。褒める言葉の数は多くないが、佐藤コーチが平岩選手を自チームのセンターとして信頼していることがわかる。

準決勝の相手は秋田・県立能代工業。古豪同士の伝統の一戦だが、選手たちは平成生まれの若者たち。そう言われてもピンと来ないかもしれない。それでも周りは注目してしまう。ある企業のテレビCMで“伝統を過去のものにしない”というコピーがあったが、彼らの戦いぶりが新たな伝統として記憶されていくのだ。

県立能代工業にも⑥中村 碧杜選手という197cmのセンターがいる。彼もまた、新潟・帝京長岡⑦ディアベイト タヒロウ選手を上回って、準決勝のコートに立つ。

伝統の一戦として感傷に浸りながら見るもよし、未来を担うビッグマンのマッチアップを、将来を予想しながら見るもよし。どちらにせよ、豊かな可能性を秘めたゲームを楽しみたい。

土浦日本大学の準決勝の相手、県立能代工業は勢いのあるチーム

土浦日本大学の準決勝の相手、県立能代工業は勢いのあるチーム

[ 記事URL ]