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現地レポート

走れ、ビッグマン! RSS

2015年12月25日 22時41分

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選手それぞれが自分らしさを出せば、おのずとチームのカラーも表に出てくる。しかし当然のことながら、対戦相手もまた同じことを狙い、相手選手の“らしさ”を消し、チームの“らしさ”を出させまいとする。勝負とはある意味で“らしさ”の奪い合いでもある。

ドライブも身に付けてきた県立能代工業⑤中村 碧杜選手

ドライブも身に付けてきた県立能代工業⑤中村 碧杜選手

「JX-ENEOSウインターカップ2015(以下、ウインターカップ)」は3日目、男子2回戦、秋田・県立能代工業が千葉・船橋市立船橋を破って3回戦進出を決めた。勝因は県立能代工業の持ち味である、厳しいディフェンスから走って得点を取る“トランジションバスケット”を貫いたことだろう。その起点ともいうべきセンターが197cmのビッグマン、⑤中村 碧杜選手である。

「チームメイトは他のチームの選手と比べても身長が決して大きくありません。だから長身者である僕はリバウンドを取ることを一番にこころがけています」

対戦相手の船橋市立船橋は前日の1回戦でオフェンスリバウンドから流れを作って、勝利を呼び込んでいた。それを今日のゲームで15本に抑えたのは、中村選手と⑥斉藤 大輔選手の2人によるところが大きい。彼らのディフェンスリバウンドから速攻に持ち込んだ県立能代工業が、今日のゲームを支配した。中村選手も「斉藤と2人でゴール下を守れたことで、(船橋市立船橋のやりたいバスケットを)封じられた」と満足な表情を見せる。

彼自身、斉藤選手がリバウンドを取れば、速攻の先頭を走ることのできる走力を持ち合わせている。もともと走るのが好きだったビッグマンは、札幌市立厚別北中学校3年生のときに能代市バスケットボール協会などが主催する「能代カップ 高校選抜バスケットボール大会」を生観戦する。そこで県立能代工業らしい走るバスケットの迫力に圧倒され、あこがれを抱き、進学を決めたのだという。「ウインターカップには46回連続出場している伝統校でプレイしてみたかったし、全国で優勝できるか挑戦もしてみたかった」と振り返る。

しかしすぐには結果が出せるほど、高校バスケットは甘くない。今年度も高校総体の準々決勝で愛知・桜丘に敗れており、そのときは⑩モッチ ラミーン選手にリバウンドを制された苦い思い出がある。あれから4か月。

リバウンドが県立能代工業らしさの起点となる

「ここからは留学生とのマッチアップが続きますが、まずは自分たちのバスケットをしっかりやることを一番に考えたいと思います。そのうえで僕自身も夏から体を鍛えてきましたし、走ることがあまり得意でない留学生に対して、しっかりとボディコンタクトをしてから走る練習もしてきました」

その成果を見せるときが来たわけだ。

昨年までは伝統校のプレッシャーを必要以上に感じて、力を発揮できなかった。しかし今年度からコーチに就任した栄田 直宏コーチは、選手たちにコミュニケーションによる結束を重視させ、のびのびとプレイさせてきた。それが中村選手をはじめとする選手たちからプレッシャーをぬぐうことにもなった。中村選手が言う。

「栄田コーチの体制になってから、みんなが自分らしさを出せています。僕も前より余裕を持ってプレイができています」

明日の対戦相手は福井・北陸。かつて高校バスケット界の頂点を争っていたチーム同士が、今またその座を目指して3回戦で対戦をする。負けるつもりはない。ここ最近の、そして夏までの県立能代工業ではないのだ。横断幕の「必勝不敗」がいつもより力強く見える。

「必勝不敗」の横断幕をメインコートに掲げたい

「必勝不敗」の横断幕をメインコートに掲げたい

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