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現地レポート

気づきこそ進化の一歩 RSS

2015年12月26日 18時46分

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人生には何度かの転換点(ターニングポイント)がある。それに気づくかどうかで、その人の道は変わっていく。

洛南を破った近畿大学附属ベンチ

洛南を破った近畿大学附属ベンチ

「JX-ENEOSウインターカップ2015(以下、ウインターカップ)」は4日目、男子3回戦。昨日、見事なまでの集中力を見せて、異名の復活かと思われた京都・洛南が敗れた。相手は同じ近畿ブロックの大阪・近畿大学附属。大森 健史コーチが「近畿のチームにとって洛南は大きな壁。初めて勝ちました」という勝利は、同校にメインコートへの扉を開けさせた。

勝利の立役者は197cmのセンター、⑮西野 曜選手だ。26得点・12リバウンド――と、ここまでは、インサイドの選手であればある程度予想できる数字かもしれない。しかし彼はアシストも5つ記録している。アシスト以外でも絶妙と言っていいパスをいくつも繰り出している。大森コーチも「彼はドリブルも上手いし、パスも上手い。そのうえ視野も広いから、彼のところにディフェンスが寄ってくれば他の選手にパスを出せるし、寄ってこなければ1対1ができるんです」と絶賛する。

そのことを西野選手にも尋ねると、「センターは周りを見なければいけないポジションなんだなって自分で思っていて、そこから意識するようになった」と言う。それに気づいたのが中学3年生のときというから、今から2年ほど前の話だ。「パスはディフェンスを動かせるから好きですね」と笑うが、まずはそこが転換点のひとつ。

西野選手はまた、今年度の男子U-18日本代表選手として、韓国で行なわれた「第23回日・韓・中ジュニア交流競技会」に出場している。それが次の転換点である。

ゴール下でも力強いプレイを見せた近畿大学附属⑮西野 曜選手

ゴール下で力強いプレイを見せた近畿大学附属⑮西野 曜選手

「他国の選手が大きすぎて、ゴール下がまったくダメだったんです。そこからフィジカルを鍛えていかなければいけないという意識を持つようになりました。自分でも自覚が芽生えてきたなと思います」

大森コーチもU-18日本代表前後で彼の意識が変わったことを認める。

「もともとムラのある子というか、決してきっちりした性格の子ではなかったんです。でもU-18日本代表のあとから目覚めてくれて……それも今日の勝因のひとつだと思います」

中学でパスに目覚め、高校でフィジカルの重要性に気づき、自主的にトレーニングを励んだ。将来のことはまだわからないと言うが、彼のアンテナはまた何かをキャッチするだろう。もしかすると明日のメインコートに、その何かが待っているかもしれない。

バスケットを始めたのは小学1年生のとき。

「母に『何かやりなさい』と言われて始めました」

それもまた彼の転換点だろう。その一言がなければ、もしかしたらウインターカップ2015における近畿大学附属の洛南戦初勝利はなかったかもしれない。母に1日遅れのクリスマスプレゼントである。

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