JBA

JBA

現地レポート

引き継がれる努力の結晶 RSS

2015年12月23日 15時48分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

チーム横断幕にある“I can do it.”を体現できたかといえば、少し悔いが残る。
「もっとできたところもあったと思う……」。
――岐阜・県立岐阜商業のキャプテン④神田 さくら選手はそう言って、目に涙を浮かべた。

3Pシュートを放つ県立岐阜商業④神田 さくら選手

3Pシュートを放つ県立岐阜商業④神田 さくら選手

「JX-ENEOSウインターカップ2015」の1日目・第3試合、岩手・一関学院 vs 県立岐阜商業の一戦は、72-48で一関学院が2回戦進出を決めた。前半は県立岐阜商業の2点リードで折り返したが、後半になって一関学院の高さと、県立岐阜商業の「何でもないミスから流れが変わった。良いゲームはできたと思うが、勝負のカギになる場面で詰めの甘さ、経験のなさなど差が出てしまった」(田中 良夫コーチ)。

県立岐阜商業は、⑩源 千沙希選手(2年)と⑮梅本 和佳選手(1年)の下級生ツーガードを主体として攻撃を仕掛ける。しかしそんな若いチームを陰に陽に支えてきたのは、間違いなく神田選手をはじめとする3年生だった。それは神田選手のプレイぶりを見るだけでも明らかだ。神田選手はこのゲームで3本の3Pシュートを含む13得点を挙げているが、攻撃回数を見れば下級生たちよりは少なく、逆に彼女たちにスクリーンをかけたり、速攻の先頭を、たとえパスがなかなか飛んでこなくても走り続けていたのだ。プレイが止まれば声を出し、ディフェンスでは自分よりも体の大きなセンター陣を、文字通り体を呈して守っていた。

田中コーチも「確かに新チーム主体だが、支えた3年生の力は大きかった。県予選でも苦しいところでは3年生がディフェンスや声出しをしてくれました。その差で勝てたのだと思います。3年生がいることで(下級生にも)安心感がありました」と認めている。

3年生ができなかった全国1勝は⑮梅本 和佳選手ら、下級生に引き継がれる

3年生ができなかった全国1勝は⑮梅本 和佳選手ら、下級生に引き継がれる

県下の強豪校、岐阜女子が高校総体で決勝に進んだことで、生まれたウインターカップ出場のチャンス。それを手中に収めて、神田選手はキャプテンとして「出場することに満足せず、1勝するためにみんなのモチベーションを上げて、いい雰囲気で大会に臨めるように心がけました」と言う。後半こそミスから崩れてしまったが、それまでの戦いぶりは全国にも十分通用するバスケットを展開できていた。それは彼女たちが3年間、必死に努力してきた証でもある。

努力したからといってすべてが報われるわけではない。しかし努力しなければ報われることはない。そのことを県立岐阜商業の3年生たちは後輩たちに見せることができたはずだ。全国1勝の思いは後輩たちに託された。県立岐阜商業の戦いは、この苦い敗戦から始まる。

ウインターカップ初出場を果たした県立岐阜商業

ウインターカップ初出場を果たした県立岐阜商業

[ 記事URL ]