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現地レポート

半歩足りなかった伝統 RSS

2015年12月24日 23時25分

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実力が伯仲したゲームは、ほんの些細なミスの積み重ねが、たとえ得点上では大きくなくとも、勝者と敗者をくっきりと分けてしまう。

「JX-ENEOSウインターカップ2015(以下、ウインターカップ)」の2日目、男子1回戦、香川・尽誠学園vs宮崎・延岡学園の一戦は、69-67で延岡学園が2回戦進出を決めた。尽誠学園の色摩 拓也コーチは「気にはしていなかった」と言うが、この対戦は第42回大会、第43回大会の決勝戦の再現であり、そのときも延岡学園が勝利している。尽誠学園はまたも延岡学園の壁を超えることができなかった。

色摩コーチがゲームを、チームの1年間とあわせて振り返る。

選手に指示を伝える尽誠学園・色摩 拓也コーチ

選手に指示を伝える尽誠学園・色摩 拓也コーチ

「してほしくないところで出てしまうミスを1年間止めることができませんでした。簡単なプレイをしてほしいときも簡単なプレイになりませんでしたから。ウチが勝つとしたらミリ単位だと思うんです。だから選手たちにも『40分目で勝負がつく』と言っていました。実際にそういう展開になりましたので、タイムアウトでも『予定どおり』だと伝えていたのですが……」

 

尽誠学園にも――もちろん延岡学園にも――勝つチャンスは十分にあった。しかし尽誠学園は最後2回の攻撃でミスを犯してしまう。ミリ単位の勝利のチャンスを自ら削っていったわけだ。
「『こういう場面でミスが出るよ』と言ってきたなかでのミス……負けるべくして負けました」

留学生ビッグマンを守った尽誠学園⑫古谷 太一選手

留学生ビッグマンを守った尽誠学園⑫古谷 太一選手

尽誠学園の持ち味とも、伝統ともいうべきルーズボールへのダイブは、試合中に何度も見ることができた。しかし厳しい見方をすれば、これまでの尽誠学園はルーズボールをつなげていた。今日はつながらなかった。色摩コーチもそれを認める。
「そのとおりだと思います。『飛び込むことだけがルーズボールではないよ』と言ってきていたんです。飛び込む選手をフォローして、ボールを受ける次の選手がいなければルーズボールは成り立ちませんから。ウチみたいに小さくて、能力のないチームはそこができないと勝てません」

延岡学園のビッグマンが疲れてきたとき、もう少しラリーに持ち込みたかったとも、色摩コーチは言う。負けてしまうと、悔いる場面はひとつや二つではない。そうした些細な場面が重なって、わずか2点だが、とても大きな2点が生まれてしまった。

この借りをどう返すか。幸いにも学生スポーツは、引退する最上級生を除くと、チームとして挽回できるチャンスがある。今大会では尽誠学園も⑫古谷 太一選手をはじめ、数名の2年生が戦力としてコートに立ち、この敗戦を経験している。さらに尽誠学園は、来年1月1日より開幕する「第91回天皇杯(オールジャパン2016)」の出場を決めており、このチームでもう一度トライするチャンスがある。
今日の2点の差を埋めるべく、足りなかった穴を一つひとつ埋めていく作業が、また始まる。

今大会もベンチメンバーを含めた全員で戦った香川・尽誠学園

今大会もベンチメンバーを含めた全員で戦った香川・尽誠学園

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