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現地レポート

ディフェンダーの矜持 RSS

2015年12月25日 14時40分

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最上級生の意地が勝るのか、それとも下級生の勢いがそれを上回るのか――単純にそういう見方をしたとき、やはり高校生活最後の大会にかける3年生の思いは並大抵ではなかった。

新潟・開志国際⑬藤永 真悠子選手

開志国際⑬藤永 真悠子選手

「JX-ENEOSウインターカップ2015(以下、ウインターカップ)」女子3回戦、岐阜・岐阜女子は57-46で新潟・開志国際を下し、ベスト8進出を決めた。両校は高校総体のベスト8を賭けた3回戦でも対戦しており、そのときも岐阜女子が勝っている。しかしその差は1点。しかも開志国際は1年生ながら抜群の1対1の力を持つ⑬藤永 真悠子選手が「第4回FIBA ASIA U-16選手権大会」出場のため、その試合に出ていなかった。1点の差を埋めるピースとして藤永選手が戻ってきた今大会で、その借りを返すことは十分に考えられた。
実際に今日のゲームでも藤永選手の1対1は、チームに勢いを与えるものとして、十分なインパクトを与えていた。インサイドに187cmの⑮シラ ソカナ・ファトー・ジャ選手がいることもあって、岐阜女子のディフェンスは簡単にヘルプにいくことはできない。そのうえ藤永選手をマッチアップしていた⑩大橋 璃菜選手がファウルトラブルに陥ってしまう。

ベンチから飛び出したのは⑥田中 陽子選手。安江 滿夫コーチも「オフェンス力はもうひとつだが、ディフェンダーとしていいものを持っている」と認める選手だ。その田中選手が藤永選手の1対1をことごとく止めていく。得点面では⑤伊藤 里奈選手や⑨藤田 歩選手が引っ張ったが、それを引き出した一つの要因は間違いなく田中選手のディフェンスである。彼女のディフェンスがゲームの流れを変えたと言って過言ではない。

彼女自身は「自分だけじゃなく、ヘルプディフェンスがいたから守れました」と言うが、「昨日チームでインターハイや国体のビデオなどを見て、やってくることはわかっていました。(藤永選手の)クセなども見てきました」と、開志国際のエースを守るための準備もしっかりしてきていた。

藤永選手を守る岐阜女子⑥田中 陽子選手

藤永選手を守る岐阜女子⑥田中 陽子選手

そのうえで自分がディフェンスで心がけていること――「ボールを持たれる前から守って、やりたいことを先に止めることを常に心がけています」をしっかりと体現していた。1年生の藤永選手は田中選手のディフェンスを攻めきれず、後半の大事な場面で大きな仕事ができずに終わっていた。

「夏は1点差での勝利だったので、今日は点差をつけて勝ちたいとみんなで話していたんです。そのためにも自分はディフェンスでしっかり仕事をしようと思っていました」

最上級生の意地がルーキーの野望を打ち破ったわけである。

安江コーチはチームを評して「一人ひとりの力は大したことない。でも個々のいい部分をうまく使って、チームとして戦っている」と言う。すべてを見ると不完全に見えても、チームとして武器に転化できる個人の力もあるというわけだ。「打倒、桜花学園」の一番手ともいえる岐阜女子のチームディフェンスに、田中 陽子選手というピースは欠かせない。

ベスト8進出を決めた岐阜女子

ベスト8進出を決めた岐阜女子

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