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バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ アジア2012 キャンプ最終日報告

2012年6月17日

 6月13日(水)より開催された、「バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ アジア2012 BASKETBALL WITHOUT BORDERS ASIA 2012 ~国境なきバスケットボール~」(以下、BWB)は、6月16日(土)が最終日。会場をアメリカインターナショナルスクールに変え、3ポイントコンテストや3on3等、なごやかな雰囲気で午前中の日程は実施されました。

 午後には地域貢献、バスケットボール普及活動として、ガールズ・クリニックとスペシャルオリンピックス・クリニックを開催。ガールズ・クリニックには東村山第一中、東村山第三中のバスケットボール部員が参加し、クリス・クルーニーコーチの指導の下で、スペシャルオリンピックス・クリニックはNBAコーチ/選手たちとともに、バスケットボールを通じた楽しいひとときを過ごしました。

 キャンパーたちはその間、サブコートにてシューティングコーチのスペシャリストであるデイブ・ホプラコーチによる「デイブ・ホプラ スペシャルシュートクリニック in TOKYO」を実施。シューティングのスキルではなく、ホプラコーチの経験を踏まえ、設定したゴールを乗り越えることが大事だということ、また一人でもできるシューティングゲーム(3Pシュートを決めれば1点、外したら仮想の相手に3点。21点先取など)を教わりました。

 クリニック終了とともにオールスター選手発表。オールスターゲームの選出方法は、キャンプ第3日目までの4チームのコーチがメンバーを推薦し、その中からディーン・クーパー キャンプディレクターとブルックス・ニック コーチ主任が絞り込んだ20名で行われました。

*キャンプ最終日 メニュー

1.3ポイントコンテスト予選
 ・全選手が参加して、上位4名が決勝に進出
 ・日本から参加している富樫選手が決勝に進出

2.3on3ゲーム
 
3.シュートゲーム

4.ガールズ・クリニック
 ・東村山第一中、東村山第三中のバスケットボール部員が参加
 ・クリス・クルーニーコーチが中心となり指導、日本からの3選手もサポートで参加

5.スペシャルオリンピックス・クリニック
 ・NBA選手/コーチとともにバスケットボールクリニック
 ・4グループに分けて、パス、リバウンド、ドリブル、シュートを指導

6.デイブ・ホプラ スペシャルシュートクリニック in TOKYO

7.オールスターゲーム
 ・12分×4ピリオド、特別ルールで実施

■試合結果
 WHITE|21|15|16|24|○76
 RED |10|14|18|21|●63

●WHITE ALL-STAR TEAM
#1 富樫 勇樹(日本)
#3 チャチュン・ウ(チャイニーズ・タイペイ)
#12 ジベオン・チェオン(韓国)
#18 ソンモ・チョイ(韓国)
#21 ツンハン・ファン(チャイニーズ・タイペイ)
#26 シャオヤン・シ(中国)
#38 コック チャン デルビン・ゴー(シンガポール)
#64 サレー・フォロータニック(イラン)
#65 ジュンヨン・チョイ(韓国)
#70 チ・ツァン(中国)

●RED ALL-STARS TEAM
#8 デロン ジョーダン・ラウカワ(ニュージーランド)
#9 ロドルフォ 3世・アレジャンドロ(フィリピン)
#10 田渡 凌(日本)
#15 マシュー・ブラゼンデイル(オーストラリア)
#25 シュアイ・ユアン(中国)
#30 ツィハオ・リュウ(中国)
#33 ルーベン ランジ-ウア・テ ランギ(ニュージーランド)
#62 ウィウェン・ル(中国)
#68 トーマス ジェームス・ボダノビッチ(ニュージーランド)
#72 パルプリート シン・ブラール(インド)

8.3ポイントコンテスト ファイナル(オールスターゲーム ハーフタイム)
 ■準決勝(1)
   #1 富樫 勇樹(日本) 6本 ●
  #29 シンカイ・ワン(中国) 9本 ○

 ■準決勝(1)
  #70 チ・ツァン(中国)3本 ●
   #8 デロン ジョーダン・ラウカワ(ニュージーランド)5本 〇

 ■決勝
  #29 シンカイ・ワン(中国) 7本 〇
  #8 デロン ジョーダン・ラウカワ(ニュージーランド) 6本 ●

 ■NBA選手にチャレンジ
  #29 シンカイ・ワン(中国) 8本 〇
  NBA ウラジミール・ラドマノビッチ(アトランタ・ホークス) 6本 ●

*アワード
 ■BWBキャンプMVP
  #1 富樫 勇樹(日本)

 ■オールスターゲームMVP
  #12 ジベオン・チェオン(韓国)

 ■3ポイントコンテスト
  #29 シンカイ・ワン(中国)

 ■スポーツマンシップ賞
  #24 ラッシュレイ-パオロ・リベロ(フィリピン)

 6月13日(水)から開催されたBWBは、初の全世界ネット配信が行われたオールスターゲームで無事終了。BWBキャンプMVPには、日本から参加した富樫 勇樹選手が選ばれました。その選考について、ブラックマンコーチは「日本人だからというわけではなく、富樫選手は間違いなく、このキャンプの中でNo.1ガードでした。」と賞賛しました。

 コーチとして参加した田臥 勇太選手、ならびに日本から参加したキャンパーに感想を伺いましたのでご紹介します。

■田臥 勇太 選手
──日本人選手を見た感想は?
「ハンドリングなど基本的な技術は優れていましたし、楽しみですね。これからどうやってうまくなっていくのかが本当に楽しみになりました。」

──日本人選手へのアドバイス
「やはり外国人と対戦するにあたり、日本と違ってフィジカルが強くなってきます。富樫選手は慣れていると思いますが、田渡選手はこれから留学しアメリカでの生活が待っています。いろんな壁にぶつかると思いますが、そこに打ち勝ってもらいたいです。」

── BWBはコート外でも積極的に社会貢献活動したがその印象は?
「全部のプログラムを楽しめましたし、良いイベントだと感じました。なかなか日本ではこのような活動やイベントがないので、これを機に自分から積極的に参加していかないといけないと思いました。やっぱり子どもたちが参加したことによりすごく楽しんでくれていましたし、バスケットだけではなく、バスケットを通じて何かをしていきたいと思いました。」

── NBAコーチや選手とともに行動している中、どのような話をしたか?
「コーチの方々は「今何してるのだ?」とか「これからどうするんだ?」とか話をしてくれました。NBA選手たちも、自分がNBA選手であるとか無いとか関係無く、楽しい時間を過ごすことができました。」

── NBAを通じて多くのファンと触れ合いましたが、日本バスケを盛り上げるためには?
「NBAを好きなファンの人たちがたくさんいることを、このイベントに参加してあらためて思いました。こういうイベントをいろんな方の協力を得て、大きくしていくべきだと思いますし、日本人選手もどんどん海外に出ていってレベルを上げてもらいたいです。」

■富樫 勇樹 選手
── MVPを獲得してキャンプを終えた感想は?
「自分がMVPに選ばれるとは思っていませんでしたが、初日からアピールはできていました。最後のオールスターゲームではチームが優勝できたし、4Qの大事な場面で結構シュートを決めることができましたので、その点は頑張れたかなと思います。これで満足はしていないですし、課題も残りましたが、楽しめたキャンプでした。また、スキル面では、ガードのドリルはアメリカでもやったことはありましたが、NBA選手と一緒にできたり、NBAコーチが言うことでまた説得力が違いましたので楽しくできました。」

──キャンプ初日に「チャンスをつかめ」というコーチからの話がありましたが、良いチャンスは掴めたと思いますか?
「チャンスはすぐ来るものではなく、後々に生きてくると思っています。今後の進学についてコーチとさせてもらったところ、紹介してくれるという話もしてくれており、自分をアピールすることが大事だとあらためて感じました。初日のライフスキルセミナーで、そういうチャンスがあることを聞かされたことで、このキャンプに向かう意識がすごく変わりました。特にまだ大学が決まっていないので、いろんなコーチがいる中でしっかりアピールして、次につながることができれば本当にうれしいです。」

──富樫選手から見て、田渡選手はどう見えたか?
「一言で言うと田渡 凌選手は「デレック・フィッシャー」です。日本では得点を獲るプレイスタイルなのに、このキャンプではディフェンスに徹していたし、しっかり声を出していたし、良いところで決めるなど地味な部分で活躍していました。久しぶりに一緒にプレイして、以前と比べて進化していると感じました。」

──高柳選手へのアドバイスは?
「毎日一緒に行動しており、アメリカのことなども聞かれて自分ができる限りのアドバイスをしました。シャイな性格ですので、自分の経験から言うとその性格を変えて積極的になることが大事だという話をしました。」

■田渡 凌 選手
──キャンプを終えた感想は?
「すごく楽しかったですし、英語でコミュニケーションを取れる良い機会でした。参加させてもらったことを感謝しています。いろいろな改題が見つかりましたので、自分にとって本当に良い経験をすることができました。」

──田渡選手から見て、MVPを獲った富樫選手はどう見えたか?
「キャンプの最初からみんながすごいと思うプレイをしていました。MVPに値する選手だと思います。」

──このキャンプで得たきっかけをどうつなげていきたいか?
「今回あらためてコミュニケーションの大切さが分かったし、即席チームではありましたが、チームワークも良くできました。知らないところに入っても、自分は積極的にいく性格なので、その良さを出していければすぐに打ち解けることができるという手応えを感じました。これからアメリカにいくにあたっての自信にもなりました。」

■高柳 紗万選手
──キャンプを終えた感想
「このキャンプに参加したことで得たものは大きかったですし、目標を見つけることができました。ひとつひとつのプレイをしっかりやり、ディフェンスを頑張れるプレイヤーになりたいです。」

──各国のビッグマンとマッチアップして感じたことは?
「やっぱり気持ちが大事です。相手に押されても気持ちが弱いと押されてそこで終わりますが、気持ちが強ければ押し負けずにリバウンドにも行けると思います。日本であれば通用することも、ここではさらに体が大きな選手が多いので、負けない体をつくりたいです。トレーニングと強い気持ちを持って取り組みたいです。また、ゴール下でリバウンドを獲れても、その後のシュートを落としてしまっていたので、そこは冷静になって決めきらないといけません。」

──このキャンプで得たきっかけをどうつなげていきたいか?
「富樫さんも田渡さんも英語ができていたので、僕も英語を話せるようになりたいと思いました。細かいポジション取りやボックスアウトをしっかりしなければいけないです。中国の選手は少しボックスアウトされただけで外せなくなりましたので、そういう細かいところからしっかりやっていきます。」

 BWBアジア2012の詳細は、特設サイトに掲載されています。
 なお、キャンプのハイライト動画を配信中ですので、是非ご覧ください。