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第34回男子ウィリアム・ジョーンズカップ 大会第5日目 vsフィリピン 現地レポート

2012年8月23日

 「第34回男子ウィリアム・ジョーンズカップ」(以下ジョーンズカップ)の第5日目。1点差を逃げ切って勝利したレバノン戦の勢いをそのままに、3連勝を目指すハヤブサジャパン 日本代表チームは、バスケットボールを国技とするフィリピンと対戦。ここ数年、強豪復活のために強化を図り、昨年のロンドンオリンピック予選となったFIBA ASIA選手権では4位と躍進。日本は予選2次ラウンドで対戦し、その時は76-83で敗れました。昨年のメンバーから残ってる選手はフィリピンは3名、日本も桜井選手、竹内公輔選手、太田選手の3名のみで、大幅に新しい顔ぶれとなった両チームの対戦。

 第1ピリオド、序盤こそお互いに決め手を欠きましたが、中盤以降は次々とシュートを決め合うハイペースな展開。フィリピン#5TENORIO選手が2本目の3Pシュートを決め6点リードされますが、直後に#13渡邉選手も同じく2本目の3Pシュートを決め返し、23-26と3点差とし第2ピリオドへ。フィリピンはインサイドの要である11DOUTHIT選手をベンチに残す間、日本はリバウンドで勝り、またディフェンスも機能しリズムをつかみます。途中交代でコートに入った#6比江島選手、#18橋本選手がすぐさま3Pシュートを決めて、35-28と日本がリード。さらに#16田中選手の3Pシュート、#10竹内(公)選手がオフェンスリバウンドからバスケットカウント3点プレイを決めて47-34、リードを13点に広げます。しかし前半終了直前、#9MERCADOが隙を突かれたドライブインからブザービーターを決められ、47-36とされて後半へ。

 後半の立ち上がり、日本のシュートが嫌われる間にフィリピンは3Pシュートを含む連続得点で47-43、3点差まで迫られます。日本は#13渡邉選手がゴールにアタックし連続得点、さらにディフェンスではスティールから前へ走る#16田中選手へパスを出し、速攻を決めます。#11DOUTHIT選手にダンクからのバスケットカウント、#6DE OCAMPO選手の3Pシュートと3点プレイで返され、追い上げるフィリピン。しかし日本も負けずに#16田中選手の3Pシュート、#5ヒンクリー選手のダンク、そして#4古川選手の3Pシュートを決め、リードを保ちます。第3ピリオド終了時間が迫る中、#11桜井選手が一人で持ち込んでゴールを決め、71-58と13点差として、最終ピリオドへ。

 不用意なミス、シュートファウルで失点を許し、さらに#8NORWOODにダンクを決められ、73-66。早々に点差を詰められた日本。さらにフィリピンは、ディフェンスでは前からプレッシャーをかけ、勝負に出ます。残り4分、#16CHANに3Pシュートを決められ79-78、1点差。防戦に回る日本のシュートは決まらず、逆にフィリピンに猛攻を仕掛けられ、残り2分、#8NORWOOD選手に3Pシュートを決められ81-82、ついに逆転されます。「この2本の3Pシュートを決められたのがダメージになった」と試合後に話していた鈴木 貴美一ヘッドコーチ。#11DOUTHIT選手のインサイドでさらに加点し、81-86とセーフティリードをつけたフィリピン。残り20秒、#4古川選手が3Pシュートを決めて86-84と2点差とし、ファウルゲームに持ち込みます。2本ともフリースローを決められ4点差を追う日本。再び放った#4古川選手の3Pシュートは外れるも、#10竹内公輔選手がオフェンスリバウンドを獲り、得点チャンスを掴みましたが決めきれず、84-88で日本は逆転負けを喫しました。

 鈴木ヘッドコーチは開口一番、「勝たせてあげたかった」と悔しい表情を浮かべました。続けて、「昨日(ヨルダン戦)と今日(フィリピン戦)は終盤に追い上げられるという同じパターンとなり、勝てた試合と負けた試合の両方を経験することができました。良かった点、悪かった点をしっかりと整理して、次は勝ちきれるように対策をしていきます」とコメントを残した鈴木ヘッドコーチ。ラストプレイをベンチから見ていた#13渡邉選手に、何が足りなかったかを伺ったところ、「全員がしっかり最後まで勝ちきることを強く思って、ボールに執着することが大事です。この試合でも最後のところでターンオーバーやアンラッキーなルーズボールが続き、相手に流れを持って行かれました。みんなでフォローし合いながら、勝ちきる姿勢が足りなかったです」と話しました。さらに、「自分たちの良いところも出せましたし、勝てなかったのは悔しいですが、次につながる試合だったと思います」とも話しており、日本代表として初めての国際大会でまだまだいろんなことを吸収しようと前向きに取り組んでいます。

第5日目(8月22日) 試合結果
○ イラン(4勝0敗) 97(2OT)89 アメリカ選抜(3勝1敗) ●
○ レバノン(1勝4敗) 88-67 チャイニーズ・タイペイB(0勝5敗) ●
○ フィリピン(4勝0敗) 88-84 日本(2勝3敗) ●
○ チャイニーズ・タイペイ(3勝2敗) 85-63 ヨルダン(1勝3敗) ●

 次戦の日本の相手は、初のアジア勢以外との対戦となるアメリカ選抜。アジア圏内でのプレイ経験がある各国プロリーグでプレイする選手たちを集めた選抜チームは、派手なオフェンスで会場を沸かせています。しかし、MCAVENEヘッドコーチがベンチから厳しく指示を出しながら規律正しくプレイさせるアメリカ選抜。リバウンドに飛び込み、ルーズボールを追い、ディフェンスはプレッシャーをかけてきます。それも全て勝つためであり、「USA」と胸につけている以上、世界一の名を汚すわけにはいけないプライドがあるからだと言います。しかし、イラン戦は再延長の末、初黒星となったアメリカ選抜。何が起こるかは分からない勝負事。「どんな相手に対しても、戦う強い気持ちを持って挑みます」と鈴木ヘッドコーチが話すように、真っ向勝負していきます。

第6日目(8月23日) 試合日程
13:00~ 日本 vs アメリカ選抜
15:00~ レバノン vs フィリピン
17:00~ ヨルダン vs 安養KGC(韓国)
19:00~ チャイニーズ・タイペイB vs イラン
※時間=現地時間